バークリー留学記
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FAQ

 バークリー留学記  by Naoyuki Honzawa

1997春編

チャールズ河よりボストンを眺める
授賞式にて 左から本澤、ケン・プリング先生、百々 徹さん


970213 Thu

 今年のボストンはあまり寒くなく雪も少ない。去年はストームと呼ばれる大雪の嵐が何度か来て、学校が閉鎖になったり、予期せず冬休みが長くなったりしたのだが。

 また、去年の秋には記録的な洪水があって、地下鉄の駅が水没したこともある。浅草の花屋敷のジェットコースターと同じぐらい凄みがあると思われる、アメリカ最古の地下鉄・グリーンラインのことである。それでも、ボストンはなんか安全でいい感じな所だ。


970214 Fri

 ヴァレンタインデー。チョコを渡すのは日本だけと聞いていたけど、ボストンの店にもしっかりチョコやキャンディーが並んでいる。義理チョコという慣習があるかどうかは知らないが。

 ところで最近、私は日本のふりかけの文化について興味を持ちつつある。というのは、最近「山陰のうにめしふりかけ」に出会ったからなのだが、ある関西系の友人から入手したこのふりかけは、新鮮なうにの風味が口の中にとろけるばかりでなく、上質の青海苔が磯の香りをかもしだし、さらにわさび顆粒がほど良いおとなの味を演出する、という非常に奥深いものだったのである。これは異国の地に暮らす我々にとって、許すべからず食品なのだが。私が横浜にいたときに愛用していたおとなのふりかけ・うには、とうていこれに及ばない。

 この友人の情報によると、東京では納豆ふりかけというものも手に入るらしく、その貴重なサンプルを試食してみた時の、私の口の中に納豆の香ばしさが拡がっていくあの驚くべき感覚を、今でも鮮明に思い出すことができる。こういう素晴らしい日本のふりかけに詳しい人がいたら、情報を。

 あと、日本の石原裕次郎切手と、美空ひばり切手と、手塚治切手に驚いている。


970215 Sat

 近くのスターマーケットには、なんと6個で1ドルのまるちゃんのオリエンタルフレイバーのインスタントラーメンが売ってる。これがなかなかいける。

 私の食生活はほとんどアメリカナイズされていないようだ。シナモンレーズン入りの、ベーグルというドーナツ型のかたいパンに、柔らかいクリームチーズを親の仇のようにはさんで食べるのを、最近やり始めた、though。ドーナツを横に輪切りにしてトーストして物をはさむという発想は、アメリカ人が実際やっているのを見ないと生まれないに違いない。


970218 Tues

 私が管弦楽法を教わったアーサー・ウェルウッドという先生は、`Partita for Clarinets`という、Bbバス・Bbソプラノ・Ebピッコロ・Bbソプラノ・Bbバスの順にクラリネットを持ちかえる5曲からなる組曲をバークリー・パフォーマンス・センターで世界初演したことがある。演奏者のピーター・コッキニアスは、たまたま私の指揮法の先生だった。持ち替えた楽器にすぐに息を吹き込んで暖めていたのが印象的。ソロの現代曲にしては拍手は大きかった。その後レコーディングされたかどうかは不明。

 私はNigel Westlakeというミニマリストの「Malachite Glass」という、鍵盤打楽器中心の打楽器アンサンブル+バスクラリネットという変わった編成の曲が気に入っている。リズミカルなバスクラとマリンバなどの組み合わせがかなりグッド。彼自身バスクラ吹きらしい。Synergyというオーストラリアの打楽器アンサンブルに録音がある。Westlakeの「マリンバ・カルテット」なら、ナンシーのマリンバラボで演奏したことがある。大変魅力的で難しい曲だ。


970218 Tues

 CDライナーによると、Nigel Westlakeはオーストラリアの作曲家で、この曲は1992年に初演されたばかりだそうだ。`Synergy with Samuels`というタイトルのオーストラリアのCDにある。ちょっとマニアックだが。Samuels というのはDave SamuelsというVibes, Marimba プレイヤーで、実は私、この人にVibesを教わっていたのだ。なかなか先生のようには叩けない。

 小さい頃、おじぎ草っていう、触ると葉を閉じてしまう植物があって、それと似ているけどもっと大きい木がねむの木だったような気がする。おじぎをしないおじぎ草がある思った記憶がある。


970219 Wed

 3年ぐらい前に、遺伝子工学を駆使した蚊取り草ができたとTokyo FMで聞いて、トラックで配達途中に探し回ったが見付からず、結局通信販売で3千円以上?することが後にわかった、って経験がある。遺伝子特許ってやつか。


970220 Thurs

 ポートフォーリオ・リサイタルの演奏者集めに苦労している。もう英語きらいきらい、、、、、

 リモコンが利かなくなったら、中の電池を回すと良い。考えてみたら、私がリモコンの電池を回すようになったのは無意識だった。目覚まし時計が鳴らずに寝坊することがあって、ちゃんと鳴るようによく電池を回していたのが始まり。リモコンに関してはそれの応用にすぎない。ところで、リモコンを壁に反射させて効果的に使ったりはしませんか?

 うつぼかづらみたいな食虫植物を栽培したことがあって、(名前はサラセニア?)たたいたハエとかを3〜4匹入れて観察していた。特に感動を呼ぶ大きな動きは見られなかったが。じわじわと溶けていくに違いない。

 スターマーケットの6袋で1ドルのラーメンに、おろしにんにくを親の仇のように入れて食べた。干し椎茸も入れた。ところで、急いで干し椎茸をお湯で戻すとき、2〜3分浸けた後、まな板にのせて左手の菜箸で押さえながら包丁で切って、表面積を大きくした後、再び浸けて待つ、っていう人はいないかな。 菜箸を使うのは、熱くて手を使えないからだ。


970222

 昨日はピアニストのダニーロ・ペレツがクリニックをやり、夜のコンサートは満員で大盛況だった。彼のような知的で、どこが裏か表かきっと特定のラテン人にしか判らないような、洗練されたラテン音楽を見せつけられると、普段脳天気にしか見えないラテン人達を尊敬してしまう。それにしてもバークリーの学生たちには大人気だったようだ。「すごい!」としか言いようがなかった。

 ドイツのハイデルベルクはいいところだったぞ。ちょっと感動した。2時間で徒歩で観光できるくらいの小さな街に、古いお城や教会や大学の建物がぎっしり詰まっているのだ。川にいい感じの橋が架かっているし、大学には学生らしい逸話が残っていたり。その一角は観光客と学生が大半を占めているのかも知れない。


970224

 最近Tbn. 吹きでメル・ルイス・オーケストラでアレンジャーをやっていたボブ・ブルックメイヤー がバークリーで5週間にわたってマスタークラスを開いた。私もそのいくつかに出席したが、彼は結構高齢でわがままなので、あまり為になる話は聞けなかった。しかしなんといっても最も尊敬している音楽家の一人だっただけに、顔を見ただけで感動した。最後の週にはバークリーのビッグバンドを指揮して「Hello and Goodbye」を演奏した。次はピアニストのケン・ワーナーが来るらしい。


970228 Fri

 寺田寅彦の随筆に、電車の混み具合には周期性がある、というのがある。混んでる電車は、各駅での乗り降りなどによって遅れる傾向があるので、その電車を待つ人が増えるため、さらに混むのだそうだ。逆にみると、ラッシュ時に電車に乗ると、一番目に来た電車が満員電車である確率が高く、その後しばらく電車が空いていることが多いらしい。寺田寅彦はこれを実際に神保町で実験して確かめたらしいからすごい。

 寺田寅彦の考察では、電車ははじめ一定の間隔で始発するが、その混み具合と発着間隔にだんだん揺らぎが生じて満員電車が発生するとなっている。確かに現在の電車はかなり制御されているのかも知れない。

 「第一に、東京市内電車の乗客の大多数は、たとえ無意識とはいえ、自ら求めて満員電車を選んで乗っている。第二には、そうすることによって、みずからそれらの満員電車の満員混雑の程度をますます増進するように努力している。」(寺田寅彦)

 バスだったらかなりあてはまるだろう。2〜3分待って次に乗ればいいらしい。

 寺田寅彦は言語学の統計学的な方法の提案まで書いてました。複数の言語の共通性の大きさを統計的に考察するもの。よく考えるなと感心した。妖怪や化け物の進化についてまで書いてたが、うわさ話や下ネタ話の変化などを扱ってもおもしろくないか。


970301 Sat

 どうしても誰かに言いたい!!

 バークリーのWriting Divisionから、チャールズ・ミンガス・アウォードという賞をもらってしまった。賞金ももらえるのだ。このところ円安だから、さらにうれしい。これで自分のプロフィールが少し寂しくなくなった。これはバークリーで毎年20人くらいもらえる賞の一つ。歴史に名を残すものじゃないけどちょっと名誉。Writing Divisionは作曲・ジャズ作曲・商業音楽・映画音楽・ソング作曲などの専攻を総合した書き物部門みたいなものです。チャールズミンガスは有名なモダンジャズのベーシストで、独創的でなんか土臭いビッグバンドやコンボをやっていた。ちょっとこれを機にもっと聴いてみようと思う。


970313 Thu

 私は中学3年の時、自作の序曲「パウケン手記」というわけの分からないタイトルの曲を文化祭で指揮した。名ばかりの学生指揮で指揮も曲もいろいろとかなり適当だったが、とりあえずちょっと学校で有名になっちゃったし、その後卒業式の指揮に選ばれたりしたし、なんか気分良かった。

 今日はリサイタルのための初のリハーサルで、かなり体力を使った。結局日本人6人、アメリカ人2人、イスラエル人2人になったので、日本語と英語とヘブライ語が飛び交うリハーサルとなった。私の体力の大部分は英語を使うことに消耗されたようだ。まず英語だと全く笑いがとれない。ので間が悪い。緊張感があるとも言えるが。自分は幼稚な言葉使いなんだろうな、と想像すると少しはずかしくなる。

 でも作曲や編曲は机やコンピュータに向かっての作業なので、実際に人を集めて自分の納得がゆくまで演奏するということは何とも言えない快感で、一気にそれまでのデスクワークや、先生に認められなかった時などのストレスが解消されていくのを、今日身を持って体感した。すばらしい!! 多くの指揮者が長生きなのはここに理由があると言う話も聞いたことがある。

 チャールズミンガス賞、もらってきました! 授賞式は講堂の壇上でいたってなごやかに、先生も学生も同じように輪になってその中で行われた。ジャズ作曲科は今年は5人の受賞者で、もとルームメイトの友人Dはもっとも優秀で、4千ドルもの賞金をかっさらっていった。ちょっと差がありすぎる。彼はきっと内外で大活躍のジャズピアニストになるので、注目です。バークリーの先生の間では第二の小曽根真と言われているらしい。


970317 Mon

 バークリーは10日ほどのスプリングブレイクに突入したので休みだ。水曜日から3日間ニューヨークに行ってくる。じつはバークリーの学生の多くがこのときニューヨークにいくので、何人か逢えるかも知れない。ニューヨークに行ったらエンパイヤの横の韓国人街で焼き肉とユッケビビンバを食べるんだ。


970318 Tue

 最近まで愛用していたDATが3年でこわれてしまい、録音できるポータブルMDをニューヨークで購入した。アメリカではほとんど普及していないようで、電気屋さんを探し回ったし、ブランクディスクも1500円くらいしてしまうので大変。バークリーも音楽専門校なのに、使われている媒体は全てカセットテープとCDのみ。MDは持っていくとアメリカ人とかドイツ人とかすごく珍しがる。

 しかし、使い勝手がカセットテープやDATに比べてはるかにいい。頭出し、曲の並び替え、消去などが自由自在だからである。2時間ぐらいの大事な講義や、自分のリハーサルなど長い時間を要するものでも、モノラルで倍の時間録音できるので問題なし。

 今は4トラックのミキサー付きレコーダーもすっかりカセットからMDに取って代わられているようなのでMDすごい、と思っている。


コープリー広場のトリニティー教会
ポートフォリオ・リサイタルの様子

970329 Sat

 ここ1カ月力を入れ続けてきた自分のリサイタルがついに終わった。前日にメンバーの1人がひどい風邪をひいて出られなくなり、代わりのラッパ吹きを急いで探すというハプニングがあってもう死ぬかと思った。ユンケルを飲んで頑張った。

 でも本番ステージの上だとホーンもよく鳴っていたし、Vibesもかなり鳴ったし、リハーサルとは全然違う迫力があった。勢いもあったし。お客さんも結構来てくれたし。何人も知らない人たちに良かった良かった、と言われたり、飽きさせない充実したコンサートだったようで、もう言うことない。もうまるで卒業したかの様にホッとしている。

 ボストンももう暖かい。Washington D.C.に行った友人は桜が咲いているのを見てきたそうだ。日本ももう桜の季節でしょう。うらやましいかぎりである。花見がしたいよう。


970401 Tues

 外はすごい吹雪です。アパートの前のWestland Ave.には人通りがなく、ただ除雪車のみが往復している。駐車している車は既に雪に埋まっていて、まるでスキー場のようだ。一昨日まで気持ちいい春の陽気で、半袖姿も見られるほどだったのだが、April fool eveの今日、一転して雪の嵐となった。時折閃光とともに雷が鳴っている。たぶん明日学校は休みになる。なんかわくわくである。


970402 Wed

 雪はまだ降っていて、現在気温は氷点下2度ぐらい。

 でもアメリカのローカルニュースを見ていると、なんか楽しそうだ。もうストームもおさまってきたせいか、中継も楽しそうだし、今日午後4時まで飛行機が飛ばないローガンエアポートで足止めを食らっている人達もとても楽しそう。僕も足止めされたかった。マサチューセッツ州の学校もほとんど休みみたいだし。

 こちらは地震が皆無なのでなんか物足りない。何か地球が生きているって感じがしないぞ。私を揺らして......


コープリー広場のトリニティー教会
バークリー正門にて 大雪の日

970402 We d

 今学校に行って来た。アパートを出たら歩道の雪かきをしている最中で、道路を渡るのも一苦労。駐車している雪に埋もれた車を救出しようという途方もない作業に従事している人達。60センチくらい積もっているようだ。今日行われるはずだったナンシー・ツェルツマンのマリンバコンサートもキャンセルで、この前の自分のリサイタルの録音テープを渡そうとしていたので残念。授業はキャンセル。近くのタワーレコードもスターバックスコーヒーも休み。ダンキンドーナツだけがあいている。これはクリスマス当日の状態に近い。

 でも、気温が回復したせいもあって、道を歩く人達は皆楽しそうで、歩きにくい歩道に口々に思い思いの文句を言いながら歩く人多数。「God Damn!!」とか、「Shit!!」とか。学校の入り口には「Classes are canceled」という汚い手書きの貼り紙と並んで、「Snow Ball Fight at 5:30」という急いで書いたとは思えない、まるで1カ月前から計画されていたような綺麗に印刷された貼り紙が貼ってあったのがユーモアを感じさせる。バークリー前のMass. Ave. では道を挟んで既に雪合戦が始まっていた。


970403 Thu

 今日はBerklee Performance CenterのLatin Nightで盛り上がりました。アフロ=キューバン音楽で2/2拍子から6/8拍子に変わるところが絶妙。こういう音楽を聴くと、またもや普段嫌っているラテン人を見直したりする。

 アメリカの一般家庭で新聞をどのように得ているのかはかねてからの疑問だ。少なくとも学生の多いこの辺では新聞配達の人を見かけたことはない。この辺の人はニューススタンドという雑誌などを主に扱ってる小さな店(この辺にはなかった。オフィス街にはよくある。)か、交差点の歩道の隅にあるコインを入れるとふたが開いて新聞が取れる原始的なポストか、コンビニで買うのだろう。日曜版は普段の3倍くらいの厚さで値段も倍以上である。ボストングローブ紙はジャズフェスティバルのスポンサーになったり、この地区の芸術活動を支えていて好感が持てます。勧誘に躍起になったりしない。これアメリカのいいところ。この国は本当に裕福で余裕がある。


970404 Fri

 つい今のことだが、ボストン交響楽団のオープンリハーサルでチェリストのロストロポーヴィッチを見てきた。今日は彼の70歳の誕生日で、Augusta Read Thomasという女性とBernard Randsという作曲家の現代曲2曲と、R.シュトラウスのドンキホーテでソロを演奏した。指揮は小澤征爾で、リハーサルなので何度もやり直しをしていたが、鍵盤打楽器が活躍する現代曲や、金管やフルートがフラッタータンギングなど特殊な奏法をするドンキホーテなどなかなか面白かった。ロストロポーヴィッチと小澤征爾のやり取りもユーモアがあり、よく笑いが起こっていた。でも彼の演奏は素晴らしい。最後にはHappy Birthdayを演奏してなごやかに終わった。

 今月11日にはカーネギー・メロン・フィルハーモニックという怪しいオーケストラが来て、知る人ぞ知るメシアンの「トゥーランガリーラ交響曲」をやる。今日初めて知ってチケットを買ったのだけど、まだまだ席がたくさんあるそうだ。人気ないみたい。でも15ドルは安いぞ。


970407 Mon

 百武彗星は知らなかった。忙しいし情報不足だったので。去年の暮れにこちらで皆既月食があったが、それは見た。アメリカでも月が真っ赤になるんだなと感動した。私が夕方に西の空に見ていたものは、やはりヘール・ボップ彗星と断定した。それにしても星が両手で数えるほどの夕暮れの薄明かりの都会の空で、ほうき星があのように見えてしまうのは感動で、思わず疫病か内乱が始まってしまうのではと心配。かつて那須の山から見たハレー彗星は屁みたいなものだ。私は小学校の時オースチン彗星と「人の名前・人の名前・衛星の名前」彗星を見たが、ほとんど淡い星雲だった。今回の彗星双眼鏡で見ていたい。

 今日からサマータイムで日本との時差が13時間になった。私は今年は海外生活長いせいか、午後5時まで気づかなかった。危うく6時のビッグバンドのリハーサルに1時間遅刻しそうになった。

 金曜日の夜、アパートの下の部屋のステレオが大音量でうるさく、ジャンプしてドンドンやっても調子に乗るばかりで困り果てて、夜中の1時30分頃警察を呼んだ。呼んだというのは実は結果的で、電話帳の「ポリス...9.1.1」を見てダイヤルしたものの、呼びベルが2回ぐらいなったところで「緊急時以外はホワイトページをご覧下さい」というのが見えて、緊急じゃないからかけ直そうと切ったのでした。結局ホワイトページでは見付からなかったのであきらめたのだが、その後すぐにインターホンの鳴る音が。窓の外の通りにはパトカーが来ていたので、アパートの玄関に来ていた警官2人にに事情を話し、事が解決したのでした。

 結局電話をかけてすぐ切るという記録が残って不審だったので、その現場に直行したのだろう。かけただけで電話番号と住所が分かってしまうなんてすごい。日本もそうかも知れないが。初めて警察にお世話になったが、なんとも頼もしくて好感が持てる人達だった。

 あと、遊んでばかりじゃないんですが、ミュージカル「ウエストサイドストーリー」を観てきました。素晴らしかった。涙なしでは観られなかった。オーケストラが生音で、歌もマイクを最小限にしか使っていないので、始め迫力に欠けるかと思ったが、すぐにのめり込んでしまった。これは秋にはソウルに行くらしい。


970412 Sat

 たった今、シンフォニーホールでメシアンの「トゥーランガリーラ交響曲」を聴いてきた。指揮はチリ出身のJuan Pablo Izquierdoで、オンド・マルトノはJean Laurendeau、ピアノはJohn Rootでカーネギー・メロン・フィルハーモニック。オーケストラはステージ一杯に100人くらい。金管はTrp, Trb.が4人ずつ、Hornが8人、Tubaが一人でものすごい迫力だった。怪しいオーケストラだと思ったが、ピッツバーグにはCarnegie Mellon Universityというのがあるらしい。

 エキストラの学生らしい人が多かったが、オーケストラもソリストも皆うまく、質が高かった。ピアニストがgreat。オンド・マルトノについては、指揮台の右横に小さなキーボードが置いてあって、そこで奏者が何かやっていた。左の奥、パーカッションのあたりにスピーカーと縦長の長方形の箱があった。私が想像していた、大きい滴型のドラが入った箱は見当たらなかった。お客さんは20%位しか入っていなかった。しかし終わった後指揮者とソリストが4回出入りする間ずっと皆総立ち。充実感のある素晴らしいコンサートでした。

 いまは帚星と三日月の競演がなかなか美しい。日本はどうかな。


970426

 今朝ビブラフォンをヤマト運輸で運んでもらったが、1カ月半かかる船便で$1830(約20万円)もかかってしまった。思わぬ出費で頭が痛い。

 今日は自分を含む5人のお別れセッションをして、その後久しぶりにオーシャニックで呑んだ。今セメずっとまじめで酒の量がかなり減っていたので、気晴らしになった。やっぱ酒っていいなあ。

 ファイナルプロジェクトを提出した。バークリー前のMass. Ave.を渡るときは、ここで車にひかれたら台無しだ、と緊張した。


970502 Fri

 ギリギリまで引っ越し準備に悪戦苦闘した後、私は留学先のボストンから成田行きの飛行機に乗り、午後5時前、なんとか無事に帰国する事ができた。空港には私の兄とそのフィアンセがお迎え。近くの寿司屋に行って、おいしいトロやウニの寿司を兄におごらせ、おいしさに満足していたら、帰りの宇都宮行きのバスに間に合わなくなってしまった。3人でガッカリしながら、結局車で上野駅まで私を送ってくれることになり、新幹線で無事に栃木の実家に帰ることができた。

(終わり)

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