バークリー留学記
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FAQ

 バークリー留学記  by Naoyuki Honzawa

FAQ About Berklee College of Music

 バークリー音楽院について多く質問される事にお答えします。
 ただし、これは個人的経験によるものです。あくまでも参考程度とお考え下さい。あわせてBerklee College of Musicや、パークリー内部事情研究会などのWebサイトをご覧になることをおすすめします。
 このページの情報に起因するいかなる損害についても、私は責任を負いかねます。


Question: 基本的に入学時における音楽的技術、素養の高さはどれくらいのものなのでしょうか?

Answer: どうも「2年間の正規の音楽教育を受けたことがある者」というのが判断基準のようです。しかし、そうは見えない人も多くいたようなので、実はその限りではないと思います。推薦状がすべてですから、たとえ独学であっても、推薦状には「この先生について2年間勉強した」とか書いてもらえばいいでしょう。

私も音楽的素養に関しては、入学前はほとんど独学でした。自信が持てないのは当然ですが、留学という一大決心をするためには、自分にそれなりの自信があってのものです。だから音楽的素養に関してはあまり心配なさらなくても良いと思います。それよりもむしろ、英語ですね。バークリーでは、下手をすると日本語ばかり使うことになってしまいます。そういう誘惑に打ち勝つだけの英語力を付けて下さい。

Question: 奨学金は必ずや貰いたいと思っていまが、そこのところもしお分かりでしたらお教えください。

Answer: 奨学金に関しては、いくつか方法があるかも知れません。基本的なのは、入学前に「自分の演奏が入った3つのスタイルの曲のデモテープを送る」というものです。審査によって学費の10%〜60%位(多くて全額)の援助が受けられます。そのかわり、アンサンブル・オーディションのバンドや、アレンジャーの卵のために演奏してあげるプロジェクト・バンドなどに参加して働く義務が生じます。その他では、時々日本で奨学金のオーディションが行われるそうですね。それに参加してもらえれば、審査の返事待ちなどのストレスが大幅に減ると思います。日本の音楽専門学校などの情報に目を光らせていて下さい。

私は、というと、いやな思い出なのですが、どうしてもスコアリングのスキルを見てもらいたかったので、自分の演奏が入らない、シーケンサーによる曲のデモテープを送ったことが、規定外だったらしく、その後1年間奨学金を申し込めないという惨事に見舞われました。バークリーは基本的に演奏技術重視なのです。これはいつ考えても悔しい!

Question: 推薦状のことなんですが、これは基本的に高校または、大学で貰えると聞いたのですがそれは正しい情報でしょうか?

Answer: 現在の願書がどのようになっているのか知りませんが、音楽の先生に限らず、自分のことをよく知っている高校や大学の先生に書いてもらった推薦状で問題ないと思います。しかし入学できるだけの音楽的素養を持っていることを音楽の専門の先生以外に証明してもらうのは不可能でしょう。そのためにも、自分の音楽知識・技術を良く知っている先生に、多少デフォルメして書いてもらうのがベストだと思うのです。

Question: 基本的な英語の学力ですが、TOEFLが600点以上と聞いたのですが、それは本当でしょうか? それに、その点数を取るために、高い授業料を払って、バークリーと提携している英語学校に通わなければいけないというのは、本当でしょうか?

Answer: 500点〜550点で十分だったような。詳しくはバークリーのカタログ(願書)やHPの情報を参照して下さい。秋の新入学の直前に1ヶ月くらい、留学生のための特別英語講座みたいなものもあるはずです。

Question: ディプロマは、2年間で卒業なのですか? 僕は4年しかないと思っていたのですが、2年のコースがあるならばそちらのほうを専攻したいです。

Answer: たしかにおっしゃる通り4年間8学期のプログラムしかありません。しかし次の3つの事によって短縮することが可能なのです。

1. 短大・大学・専門学校の単位を移動する。私は大学の18単位を認めてもらった記憶があります。

2. 「テストアウト」する。ある条件が備わっていれば、独学で試験を受けて単位を取得することができます。入学時に行う、クラス振り分けテストの結果でも、幾つかのクラスを飛んで高いクラスに入ることもあり、飛ばされたクラスの単位は自動的に取得されるわけです。

3. 夏休みの特別の学期を取る(Summer Session)。開かれている講議や講師は限られていますが、夏休みの12週間中に行われる講議も単位として認められます。私は2年間連続6学期を取って卒業しました。

つまり、私の場合、1, 2で単位を稼いで2学期分短縮し、2年間6学期で卒業できたのです。もちろん早く卒業できたからといっていいことはありません。一般に、技術を習得するのにはすごく時間がかかるものですから。

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