コラム


地域に根付いた音楽活動・藤沢市民オペラ

1998.12.3 

 関東地方ももう初雪ですね。雪が降ると必要以上にワクワクしてしまうのは僕が冬に生まれたからだろうか。さて、11月22日に藤沢市民オペラ・ワーグナー「リエンツィ」を観劇した。うわさには聞いていたが、これが実に素晴らしい催し物だったのだ。何が素晴らしいかというと、ソリストなど主要な出演者以外ほとんどがアマチュア音楽家の集まりであることが素晴らしい。特に湘南コール・グリューン、慶応ワグネルソサィエティなど7つの合唱団は、このオペラに圧倒的な迫力を与えた。そして若杉 弘指揮による藤沢市民交響楽団、藤沢ウィンド・オーケストラによる演奏も、大変緊張感がありアマチュアとしては聴きごたえのあるものだった。

 4年前僕は横浜西口の「西武コピー」というちいさな怪しいコピー店でアルバイトをしていた。そのころ桜木町の紅葉坂にある神奈川県立音楽堂を建て直す計画に対する反対署名運動があった。神奈川県立音楽堂は「木のホール」といわれて、残響の少ない澄んだ音のするホールとして室内楽から小オーケストラまでに定評がある。建築的にも意義があるそうだ。コピー店をよく利用して頂いていたあるヴァイオリニストからこの話を詳しく聞いて私も署名したものだ。そんなときに、藤沢ではこんなに素晴らしい地域に根付いた活動をしているホールがある、と引き合いに出されたのが、この藤沢市民会館の藤沢市民オペラであったと記憶している。

 何が良かったかといえば、プロの指揮者やプロの歌手が参加して、さらに自治体のバックアップがあるだけで、アマチュア音楽家達はあれだけ素晴らしい演奏技術を捻出でき、観客を十分に感動させる力を持っているものだ、という事実である。日本各地に乱立し続けているホールの関係者達はこれを見習うべきである。


 そういえば先日サイパンで初めてダイビングを体験した。重装備になって海に潜っていき、さんまのような魚と大きなナマコと戯れた場所が、後にシュノーケルを付けてみて簡単に泳いで行ける所だったと知ってがっかりした。初めてなんてそんなもんだね。

 サイパンで怒り狂ったのは、サイパン国際空港の待合所でコーヒー、コーラなどすべての飲み物が3ドル50セント(約420円)だったこと。そして日本円1000円が6ドルとして計算されたこと(1ドル167円! なんと4割り増しだ)。こんなのアメリカじゃない。アメリカでは飲み物はもちろんすべて1ドル程度である。圧倒的多数である日本人観光客もバカにされたもんだ。


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