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おやじのサツキ

2000.7.12 本澤なおゆき


写真1 枝ごとに色の異なる花を咲かせる
 噴煙をあげる那須連峰を遠くに望む広大な那須野ヶ原。栃木県西那須野町の国道4号沿いにある僕の実家は、サツキ屋である。盆栽屋ではなくサツキ屋、初夏に咲く美しい花・サツキの専門家なのだ。

 栃木県は火山性の園芸用土・鹿沼土の産地であるせいか、サツキ栽培の盛んな地域である。僕がごく小さいころ趣味的に始まった父のサツキ栽培が、今では、各主要展示会で賞を獲得したり、講習会を開いたり、専門誌に執筆したりと、プロとして幅広く活躍している。すごい。

 なぜサツキなんだろうか。サツキ屋で育ち、小さい頃からいろいろと手伝いをさせられたにもかかわらず、僕はサツキの魅力を正確には知らないようだ。僕の想像を交えて言うならば、サツキの魅力は主に次の2つにあると思う。


写真2 この幹の太さに注目!
  • 同属のツツジに比べて、葉が小さく、花が大きくて美しい。品種改良によって多種多様な花が楽しめる。[写真1]
  • 数十年も手をかけると幹が太くなり、その太さに応じて価値が上がる[写真2]。

 [写真1]を見ると、一本の樹に白い花やピンクの花、そして中心だけが白い赤い花が咲いているのがわかる。枝ごとに異なる発色をしたりするので、実に奥深いのである。

 また、[写真2]では分かりにくいが、幹の太さが40〜50センチにもなるとかなりの値段になるらしい。

 もちろん美しい花を咲かせたり、バランスの良い枝ぶりや太い幹を作るのには、毎日の潅水・温度管理・剪定・植え替え・肥料など、几帳面な努力が継続している必要がある。このせいか、僕が子供の頃は、家族全員で旅行に出掛けるような事は一切なかった。

 特に5月下旬から6月上旬の花時期までに、展示会などに向けて一斉に美しい花を咲かせるための、温度管理などの調整は大変なものである。最も管理に忙しい時期なのに、最も多くのお客さんに見てもらいたい、とにかくうかうか花見などしていられない時期なのだ。


写真3 ねじれ草?

写真4 ワサワサ育ったキョウチクトウ


写真5 サツキに囲まれた本澤プロ夫妻
 さてこれらの写真は、先日その実家に手伝いに帰った時にデジカメで撮ったものである。サツキの鉢に幾つか生えていた[写真3]の花は一体何だろうか。小さいころ、よく野原で見付けた花で、その花の付き方から「ねじれ草」などと呼んでいた。野草にお詳しい作曲家の星出尚志さんに聞いてみよう。(その後、これは「ネジバナ」であることを教えていただきました。)

 [写真4]は学生時代ほんの一本の小さな苗だった夾竹桃だが、今では2.5メートル位の高さまでワサワサと育っていた。この地域ではわりと珍しいらしい。植えた甲斐があった。

 最後にぜひ、素晴らしく咲いたサツキたちに囲まれた本澤プロ夫妻の写真を見てほしい[写真5]。これらの美しいサツキを一度見てみたいという方は、ぜひこの栃木県西那須野町「さつき・寿苑」に訪れて見て下さい。

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