旅行記
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ミュンヘン・ハイデルベルク編

 旅行記 by Naoyuki Honzawa

ミュンヘン・ハイデルベルク編(1997年1月9日〜10日)


ローマからミュンヘンまでの寝台列車で同室になった人達と

簡易寝台列車に乗る 賑やかな出稼ぎの人達とともに


970109 Thurs.

 ローマからの簡易寝台列車は、朝9時頃ミュンヘンの中央駅Haupt Bahnhofに着いた。同室になったナポリからの出稼ぎの人は、これからさらに列車を乗り換えてベルリンまで行くのだそうだ。車内で一緒に記念写真を撮らせてもらって、後で送るからと住所を聞いた。駅のホームで別れた。

 まず小銭がないとウンコが出来ないのでドイツマルクに両替をした。そして、ホームを背にして出口の近く右側の、きれいだけどなぜかタバコを吸う人が多かったカフェテリアでザウアークラウトと細長いソーセージが載った皿を食べた。他にも左側奥にレストランがあったが、暗くて入れる雰囲気ではなかった。でもミュンヘン駅を始めドイツの列車は、日本のそれのように実にきれいで清潔だった。

 一番広い出口から出て、右の方の角に旅行者案内所がある。そこですぐ近くのホテル「コンドル」を紹介された。ここは安いのに、今回のヨーロッパ旅行中ベスト1のホテルだったと言えるだろう。翌朝早くハイデルベルクに出かけたため、ゆっくり食べられなかったバイキング形式の朝食は、ケチなイタリアのホテルと違い、実に豪華だった。支配人もきれいな女性だったのがSehr Gut。

 なんと午前11頃早くもチェックイン出来たので、シャワーを浴びて寝台列車の長旅の汗を流した。少し昼寝してから中央駅に戻り、電車でIsartor駅近くのドイツ博物館に向かった。ドイツの列車は、機械で切符をちゃんと切らないと、ひどく怒られる、というウワサを聞いていたので、ビビッてそのための機械を探したが見付からず、おそるおそる乗り込むことにした。結局回ってきた車掌にユーレイルパスを見せるだけで何の問題も起こらなかったが、それがない場合は正しい情報を元に注意すべきであろう。

 ドイツ博物館は実に素晴らしかった。充実度はスミソニアン博物館群に迫るものがある。産業・科学の各分野に渡って、各部屋がとてつもなく広く、整然と展示されている。特に私達が気に入ったのはもちろん楽器の部屋だ。古いパイプオルガンやピアノ、チェンバロなどが沢山あった。カオス・フラクタルの例や核融合炉の話など、最先端の科学まで網羅している。あと、Y字型の電極から断続的に炎の様な放電が昇る仕掛けが印象的だった。夕方の閉館時間が近くなり、急いでミュージアムショップに入った。興味深い科学関係の書籍やグッズが売られていた。ドイツ語によるドイツ博物館のガイド本を買おうしたら、英語もあるよ、と言われ、知っている、と答えた。頑張ってドイツ語を読もうと思ったのだ。結局頑張ることはなかったけれど。

ドイツ博物館・鏡の部屋にて
ドイツ博物館・鏡の部屋にて

 ドイツ博物館では、ドイツ人の完璧主義のようなものを垣間見ることができたような気がした。それがミュンヘンの街を歩く人々が完全に信号を守っていたということにも妙にマッチしたのである。ドイツ人は、寒い環境のせいか忍耐強く、あるいはそういう国民性から、ラテン各国のお気楽な人々とは違い、さらにユダヤ人やジプシーなどとは異なるという自意識をも持つようになった、かどうかは知らないのだが、ここは何か日本に通じるものがあり、ヨーロッパの他の国と違いなかなか過ごしやすかったのだ。それが敗戦国どうしの共通点かもと言う人もいる。イタリア人に共通点は少ないかも知れないが。とにかくドイツ博物館は恐ろしくなるぐらい広いし充実していたのだ。

 Altes Rathaus駅の近くまで歩いて、まるで三越の様な典型的日本的なデパートに入った。ボストンにはなかったので感動した。ヨーロッパ全体の載っている地図を購入した。文房具メーカー・RotringのTickeyというシャープペンシルを3本セットで買った。これは後にカラフルなラインナップで日本で流行することになった物である。マクドナルドでビールを飲んだ。ここでもハイデルベルクでも、マックには必ずキッズルームがあって、子供がうるさくなくて、実に良く考えられた造りになっていた。そしてドイツ博物館のアイマックスシアターに戻り、英語版のクジラに関する映画を見た。

 その後はビヤガーデンを探したが季節外れなのかいいのが見付からず、あきらめて帰った。


970110 Fri.

 この日は早朝にミュンヘンを発ち、ハイデルベルクに約3時間立ち寄った後、マンハイム経由でブリュッセルへ向かい、既にロンドンで予約していた深夜バス&フェリーで一泊分の滞在費を浮かしてロンドンに行く予定だった。

 ホテル・コンドルのバイキング形式の朝食は、実に豪華だった。特にチーズ・ハム関係の充実度は素晴らしかった。あのイタリアの質素な食事とは雲泥の差である。ラテン系の国では、朝食はとことん手抜きをする文化なんだろうな、と納得してみる。そういえばドイツのベッドでは、枕が大きくてひし形であることが多いようだ。

ハイデルベルク城より旧市街を眺める
ハイデルベルク城より旧市街を眺める

 ハイデルベルクまでの急行では、初めて席が離れた。といっても通路を挟んで隣である。私の隣は若くて美人のドイツ人女性(!)。ずっと話しかけようと思っていたのだが、結局ハイデルベルクに着く直前に話しかけることに成功。すると、なんと東京のホテルで働いたことがあるという(というか旦那さんがそうだったかな)。 私がドイツ人の礼儀正しさと清潔がいいと言ったら、でもドイツは寒い国だからね、と言った。

 ハイデルベルクに着いた。ここでは3時間しか予定していないので、荷物をロッカーに預けて、急いで旧市街へ向かった。

(続きは乞うご期待)

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