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 コラム

素人による素人のためのE-mu Proteus2000講座

1999.6.29 本澤なおゆき

 E-muのサウンドモジュール「Proteus2000」を手に入れた。3月末に注文してから半月くらい待ちました。これが大変素晴らしい。何と言っても、プリセットを選んだときに、その音色にあったリフを演奏するオーディション機能。これがめちゃくちゃ恰好良いので、最初から楽しめる。音色のエディットは、シンセに馴れていない僕には難し過ぎるほどパラメータが多い。とりあえず強く弾いたとき硬くなり、弱く弾いたとき柔らかくなるようなヴィブラフォンの音を作ってみた。オーケストラ関係のプリセットが以外と少ないかな。

 私は新背と変換されるくらいシンセの初心者なのですが、なかなか思うようにコントロールできない。今のところ、生音に近い音色を使っていますが、いろいろいじらないとなかなか納得いかないようです。フルート・クラリネットはLFOでヴィブラートを付けるとかなり美しいですが、イングリッシュホルンはかなり変えました。ピアノはサンプリング音の減衰が速すぎたので、エンベロープで無理矢理減衰を遅くして初めて納得がいった。ストリングスは未だに.....。

 RolandのSC-88用のMIDIデータを必要なものからProteus用に移植しています。なんとかExpression(#11)を使えるプリセットをいくつも作り、おもに吹奏楽やオーケストラのシュミレーションに使えるようにしています。こういう使い方をしている限りでは、1000の音色があるとは言っても肝心なものが足りないようです。Piccolo, Bass Cl, Bassoon, French Hornなど。Stringsも最も使うSection関係は1種類しかありません。HarpsichordやGlockenspielもないらしい。こうなってはもうオーケストラ関係のRomが発売されるのを待つしかありません。


Proteus2000で、Expression#11に対応したプリセットを作る方法

1.マスターメニューのノブ設定で「H」のノブに#11を割り当てる。

2.音色エディットのパッチコードで次の2つを作る。

MidiI -> AmpVol +25
DC -> AmpVol -35

なぜかこのぐらいが適当に動作する。

3.「INITIAL CONTROLLER AMT」のノブHを「H:120」に設定する。

これで数値が「0」なら最小音量、 「127」なら最大音量となるはずです。

 DTM音源対象のファイルでは、よく#11を120基準にしますが、こういう #11の使い方の場合、 そのまま「AmpVol」につなげると大音量になってしまう様なので、 単純に数値を減算するために、マイナスに設定した「DC」を用いたわけです。 あとは試行錯誤で数値を決めました。

 ただし、その後の調べで、「DC -> AmpVol -35」を使わなくても、エディットメニューの前半の方にある「AMPLIFIER」で音量を下げれば十分で、その分パッチコードを節約できることも分かりました。

 また、#11を割り当てるノブは私の場合、生楽器の音にはほとんど使わないと思われる「H」を使った方が他のプリセットを普通に使用する時に影響が少ないことが分かりました。

 このとき私は、パッチコードの接続を間違えたため、大音量を発振してしまい、マスターメニューの内容がメチャメチャに壊れてしまった経験があります。MIDIが受信不可になったり、イニシャルコントローラーがすべて「0」になったり...。気を付けましょう。多分、その大音量が原因だと思います。すでにシーケンサーの方に設定を記録させていたので、すぐに元に戻りましたが、ちょっとショックでした。


 ところで、ローランド社のMTR「VS-1680」を無償アップグレードした。SMF(スタンダートMIDIファイル)をインターネットでダウンロードして、シーケンサーで再生させてVS-1680内のプログラムを書き換えるらしいのだ。何とも画期的に思えるのは私だけ? このお陰でグンと使い勝手が向上したし、マスタリングツールが付いてコンプレッサーやエンハンサーなどで最終的な音の仕上げができるようになった。僕はこの一件で一気にローランド社のファンになってしまったよ。
 また、最近はまっているのが、ラヴェルの「トリオ」(Vln. Vc. Pf.の編成)。4楽章形式で、どれも実にエキサイティングな曲想。以前に書いた「私のお気に入り・スペシャルヴァージョン」のイントロなどは、実はこの曲の影響をちょっと受けました。この小さな編成で、Vln.とVc.が1オクターブや2オクターブのユニゾンでたっぷりとメロディを弾いてしまうと、その楽器の使い方の贅沢さゆえに圧倒されてしまいます。これは偶然にパリで手に入れたCDなのですが、

Stephane Tran Ngoc(Vln.), Thierry Huillet(Pf.), Xavier Gagnepain(Vc.)
(REM 311299)

 録音も演奏も驚くほど素晴らしい。

1997-2001 studio cranberry... All right reserved.