コラム


ブラボーーーーッ、しし座流星群!!

1998.11.7

 大きな流れ星を見た! 木枯らしも吹いてもうすっかり秋も深まった。満月を少し過ぎた月の奇麗な今日の夜、いきなり空に火の玉が飛んだ! 11月7日21:10頃、ペルセウス座付近に右上から左下にかけて、およそ1秒余りの間、かなり明るい流星が飛んだのだ。明るさは、印象としては隣にある月ぐらいあったと思う位なのだが、冷静に考えると実際はマイナス4等星くらいじゃないだろうか。色は少し黄色っぽかったかな。

 私は小学から中学にかけて天文少年だった。小学6年の時に「天文ガイド」という雑誌の読者のカラー天体写真のコーナーに入選したことがあるくらいだ。天体望遠鏡を通して半月を1分毎に多重露出したもので、賞金5,000円とカラーフィルムなどいろいろもらった。そのようなわけで、そのころは夜空を見上げることが多かった。このようないわゆる「火球」といわれる明るい流星を見たことは一度だけあった。寝る前に部屋を暗くして窓からボーっと空を眺めるのが日課だったのだけど、そのときにいきなり流れたのだ。興奮しました、あのときは。

 ところで、11月18日(水)の未明ごろに33年ごとに流星雨(沢山の流星が雨のように降る珍しい現象)を降らすという「しし座流星群」が見られるらしい。流星群といえば8月12日ごろの「ペルセウス座流星群」が有名だが、今度の流星群ではかなりの流れ星が容赦なく降り乱れるに違いない。ぜひこの日は夜空に注目してみましょう。

1998.11.18 

 見ました! 18日4時14分の大火球を! 天頂のふたご座付近を、東から西へ1秒あまり、-10等星(半月くらいの明るさ)もあろうかと思われる流星が飛んだ。後半で黄色く爆発したので、まるで花火のようだった。流星痕(流星の飛んだ軌跡が残像のように発光して見える現象)は少なくとも1分以上、流星の飛んだ軌跡に垂直方向南側に流れていった。私が見ていた座間市谷戸山公園には20人くらいのギャラリーがいたが、驚きのあまり歓声がわき起こった。日本火球ネットワークにはそれに関するいくつかの目撃情報をみることができる。

 このしし座流星群、全体的にはやや期待はずれで、1時間半の私の観測(3:15〜4:45)では、60個の流星を見るにとどまった。日本流星研究会によると、実際のピークは日本で観測できない15時間前の14時ごろだったそうだ。しし座流星群自体は15日〜22日にかけて観測できるもので、ピークを予想するのは難しいらしい。「ピークは午前4時頃」と決めつけて考えていたのが悔しい。1965年にはアメリカで1時間に15万個も飛んで、地面に影ができるくらい明るかったというから実はすごいこともあり得るのである。

 ところで「981107 大きな流れ星を見た!」に記したばかりの火球は、実はおうし座流星群に属するもので、関東地方を中心に目撃者が多数いたことが分かった。日本火球ネットワークを見ると、そのような火球は知らないところで結構流れているみたいだ。なかには「隕石になったと思われる」などと軽く書かれているものもあり、恐ろしい。


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